TRIVIA★トリビア

シュガーデコレーションとは、粉糖(粉砂糖)を主な材料とするシュガーペーストやロイヤルアイシングを使って、ケーキをきれいに飾り付ける手法です。シュガーデコレーションを施したお菓子がシュガーケーキです。しっかりと焼き込んだフルーツケーキをさらにシュガー(糖衣)でくるむことで長期間保存でき、テーブルの飾りとしても楽しめるため、発祥の国イギリスをはじめ各国でここ一番のお祝いの日のお菓子として親しまれてきました。

シュガーデコレーションは繊細で美しいため、特別の才能に恵まれた人のもの、長い習練の末に勝ち得た技術によるものだと思われがちです。けれど、実は基礎テクニックをひと通り知るだけで十分。あとは個人のアイディアでバリエーションが無限に広がる世界であり、「なるほど…」とうなってしまう工夫の宝庫をのぞき込む楽しさでいっぱいです。基本的な器具のほか、どこの家庭にもあるような生活用品を利用して作り上げることができ、一度体験するとおもしろくて、たまらなくなってしまうはずです。

「お祝いのシュガーケーキデコレーション」今田美奈子著より

公式の夕食や国際的色合いの強い正式な夕食では、フランス料理でフランス式にもてなすことが世界の基準です。

フランス料理の人気は美食の伝統に支えられているだけではなく、19世紀、アントナン・カレーム(1833年没)やオーギュスト・エスコフィエ(1935年没)が各国で、フランス料理を普及させたことと、それ以前の18世紀のフランス王朝で生まれた様式美に支えられた食卓芸術が高く評価されていることや、食事にかかせないフランスワインが広く賞味され、現在もそのまま続いて楽しまれているからです。そうした理由から、現在もフランス料理やワインを供するフランス式のテーブルセッティングについて知ることが世界の上流や知識人の教養とされています。一同に会する食卓で出席者たちがもてなしの内容や価値を理解でき、マナーにおいても恥をかくことがないように、世界共通のしきたりに支えられているフランス式のディネが正式な食事とされています。

料理の材料や食卓のエレメントなどに、国柄や主催者の個性が表現されるとしても、基準はフランス式をもって最良とすることに変わりはありません。

各国の自国料理やテーブルセッティングは内輪向けの親しみを表すものであって、公式に用いることは礼をかくことになり、格調ある正式なものとはみなされません。

そのために、夕食についてはフランスを中心とした正しいテーブルセッティングやしきたりを充分に身につけておくことがポイントになります。

「正統のテーブルセッティング」 今田美奈子著 より

格調高く豪華さを誇った太陽王ルイ14世のバロック様式に続いて、曲線的で華麗なロココ様式はルイ15世の時代、美貌の寵妃ポンパドゥール夫人により花開きました。その後、過剰な装飾を取り去り、直線的で簡素で愛らしい新古典様式が時代の声とともに絶賛されるようになりました。この流行の先端を切ったのがルイ16世妃マリー・アントワネットでした。

こうして、ヴェルサイユのヒロインたちは、次々に新しい生活芸術や食卓芸術の流れを変え、すばらしい文化を作り上げました。わずか100年の間に、芸術様式の基本が生まれ、時代のスタイルを構築しました。建築、室内装飾を中心にそれに合わせた食卓芸術が整えられました。

これらの名称とモチーフを知って趣味志向の基準にすることは、ヨーロッパの知識人のみでなく世界中のエリートの教養とされています。

「お菓子と食卓のファンタジー」今田美奈子著より

世界の有名なお菓子の名前を知っていることは、それだけでたいそう贅沢な財産です。ひとつひとつのお菓子の名は、そのお菓子の姿形、生い立ちまで伝えてくれることがあります。

優雅で美しいデザートなど、ある宵の貴婦人たちを魅了したと思われるものには、王妃や貴族、外交官などの人名がつけられています。いっぽう、ホームメイドがふさわしい、素朴なお菓子には、地名や果実の名が多いようです。また、味を示すクリームやソース、姿形を正確にあらわす「シュー(キャベツ)」「トリュッフ(きのこ)」「クレープ(クレープデシン)」などがあります。

ヨーロッパのお菓子の名は、幾百年、否、それ以上ものあいだ、同じ姿や味をくずさずにそのおいしさを伝えてほしいという願いをこめてでもいるかのように、命名されているのです。

長い間かかって、人類がこの世に作り出し、いとしんできたものの中で、お菓子ほどやさしさに満ちた夢はなかったような気がします。

それは、お菓子が嗜好品であり、職業や地位、老若男女の差を問わず、いつでも、気軽に手にすることのできる贅沢だからです。いつの時代も人々は、お菓子を供する食卓に、この世の雑事を忘れ、こよなく楽しい栄華の夢をみたことでしょう。

私どもの心をなごませてくれるやさしいお菓子ですが、そのやさしさは、ただ心をこめて作るだけでは生まれません。食べ物としてはたす役目があり、食べる人に満足を与える味や姿にでき上がらなければなりません。その上に心に響く魅力が必要です。つまり、誰にも喜びを与えることができるお菓子が備えている、やさしさの表現の方法(ルール)を学ぶことが、すぐれたお菓子作りの勉強です。

                               「お菓子の手作り事典」今田美奈子著より


今田美奈子食卓芸術サロン

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